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山を歩くGeo walkerとして、登山保険を考える

Geo walkerとして街道や旧道を歩く中で、山に入る機会が少しずつ増えてきました。
これまでは保険に入らずに歩いていましたが、「万が一に備える」必要を感じ、登山保険に加入することを決めました。

今回は、私自身の経験をもとにGeo walkerの安全対策と保険について考えたことをまとめます。

注意と免責

この記事は筆者の個人的な経験と判断をまとめたものです。
本記事は特定の保険加入を勧めるものではなく、軽登山や街道歩きで保険を考える際の参考情報として記しています。

登山はあくまで自己責任のもとで行うものであり、どのような保険に加入していても100%の安全が保証されるわけではありません。
自身の経験・能力・体力に応じたルート選びや事前調査、現地での適切な判断が重要です。


Geo walkerの活動における山歩きの機会

私の主な活動は「登山」ではありません。
あくまで街道歩き、街道歴史研究、実地調査が主な活動です。

その多くは登山というよりは林道歩きのような場合が多いです。
しかし、稀に「軽登山」または「トレッキング」と呼んでもおかしくない場面に遭遇します。

例えば以下のような区間を通過することがあります。

場所 危険ポイント 想定リスク
西国街道 有年峠 獣作の外。
携帯電波なし。人通りなし
イノシシ、ヘビ、クマなどといった動物と遭遇。
道迷い
中山道 碓氷峠 車道から離れた山道。
携帯電波なし。
人通りやや多い。
動物と遭遇。
道迷い
中山道 和田峠 動物の死骸あり。
携帯電波なし。人通りなし
動物と遭遇。
道迷い
伊賀越 正寿院前の山道 車両通行不可。
GoogleMapに記載なしの道。
携帯電波なし。人通りなし。
道迷い
伊賀越 裏白峠(旧道) 動物のフンあり。
携帯電波なし。人通りなし。
動物と遭遇
姫街道 本坂峠、引佐峠 短時間ながら急登。
人通りなし
道中体調不良による立ち往生。
道迷い
東海道 宇津ノ谷峠
『蔦の細道』
沢沿い湿潤、足元不安定な急登。
深い茂み
滑落、ヘビに噛まれる

こうした区間は概ね1時間以内に通過します。
しかし、岩場の急登やヤブ、不安定な足場など「登山」と呼べる場面もあります。

私は大学時代に山岳部で最低限の知識は身につけました。
それでも単独行動は判断ミスが大きなリスクにつながります。

登山保険に入ることのメリット

今後も継続的に Geo walker としての活動を続けるなら、無保険で山を歩くような現状を改めるべきだと考えました。
登山保険に入ると次のようなメリットがあります。

  • 遭難・滑落などの救助・捜索費用に備えられる
  • 万一のケガや入院の見舞金を得られる
  • 第三者への賠償責任(接触事故など) にも対応できる場合がある
  • 家族や関係者が、救助・連絡の際に判断しやすくなる

特に車両が入れない場所では、救助ヘリの出動が必要になる可能性があります。
無保険の場合、その費用の負担が非常に大きくなります。

保険に入ることを検討した対象の山行

今度、Geo walker研究の一環で、箱根湯坂道三島平安・鎌倉古道を歩きます。

これらは行政の観光サイトでも紹介されるほどメジャーなハイキングコースです。
危険度は高くありませんが、車道から離れた区間も多く、未知のリスクも考慮しました。

検討した登山保険と比較ポイント

今回は1日だけの山歩きなので、短期保険を比較検討しました。

保険名 主な特徴 保険料・期間(一例) 救援費用上限 賠償責任 備考
モンベル野あそび保険 登山・ハイキング向け。
1泊2日から契約可。
250円〜(1泊2日) 300万円 含まれる 軽登山・街道踏査に最適。
外あそびレジャー保険 7日/30日/年単位。
アプリ連携あり。
580円(7日)〜 300万円 含まれる 7日以内に複数の山行をまとめてカバー。
ワンタイムやまの保険 1日単位で加入可能。 142円(レスキューのみ)〜 300万円 オプション 142円のプランは最低限の救援補償のみ。

これらはピッケル、アイゼン、ザイル、ハンマーなどを用いた本格的な登山ではなく、軽い山歩き向けの保険です。

比較のポイント

比較のポイントは次の3つでした。

  • 救援・捜索費用の上限額
  • 賠償責任補償の有無
  • 加入のしやすさ(即日・短期・オンライン)

救援費用上限は3社とも同じですが、補償内容の定義は要確認です。
賠償責任はあったほうがよいでしょう。
日程が流動的なため、スマホで直前に加入できることが望ましいです。

補償金額の差が出やすいのは ケガの治療費 です。
確かに日常生活よりはケガのリスクが高くなります。
しかし、私はこれは重視しないことにしました。

山歩き中のケガでも、基本的に 健康保険が適用されます
登山保険は自己負担分や入院・通院の補償が上乗せされる形です。
これは医療保険と似たような位置づけです。
すなわち、万が一の治療費をあらかじめ保持しておけば、その必要性は高くないです。

ただし、業務登山や競技登山、交通事故の場合は健康保険が使えないこともあるので注意が必要です。

最終的にモンベル「野あそび保険」を選んだ理由

今回は「モンベル野あそび保険」を選びました。
1泊2日から加入でき、ケガ・救助・賠償が標準で含まれ、当日クレジット決済が可能です。
東京海上日動グループによる信頼性も魅力だと感じました。

これは私の判断であり、条件次第で選択肢は変わります。


登山保険に入っても安心しきれないこと

保険は 「助けてもらう権利」ではなく「助けが来た時に支払いができる仕組み」 にすぎません。
実際の安全を決めるのは、次のような行動です。

  • 圏外に入る前後で知人に入山・下山連絡をする
  • 現在地を共有(Google Map、YAMAPみまもり機能など)
  • 地形図、コンパス、ヘッドランプ、笛、熊鈴、熊スプレーなど、必要な道具を備える
  • 天候や体調に不安を感じたら迷わず撤退する
  • 夜間・悪天候での単独行を避ける

準備と判断が何よりの安全装備です。
保険に加入していても、日々の安全意識と行動が最も重要です。

再度の注意とまとめ

  • 登山保険の内容は商品によって異なります
  • 自身の登山スタイル・活動内容に合った補償を確認してください
  • 本記事は筆者の個人的判断の記録であり、特定の保険加入を推奨するものではありません

山を歩くことはリスクと隣り合わせですが、
「危険を避ける努力」と「もしもの備え」を両立させることも、
Geo walkerとしての活動をするうえで必須の姿勢だと考えています。

その一環として、今回登山保険を検討し、加入したことを報告しました。
この記事が、皆さんが安全な山歩きをするうえでの参考になれば幸いです。