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ChatGPTと一緒にショパンコンクールを鑑賞してみた

僕は子どもの頃からピアノを習っていて、今も趣味で弾いています。
そこまで上手いわけではないけれど、休日に駅のストリートピアノでショパンの《ノクターン第3番 Op.9-3》などを弾くことがあります。

そんな僕ですが、実は
音楽鑑賞に苦手意識
がありました。

耳が悪いのか、音感がないのか……。

「この演奏が素晴らしい!」

と言われても、正直ピンとこない。
長年ピアノを弾いてきたのに、聴く力が育っていない気がしていました。

ショパンコンクールとは

5年に一度、ポーランド・ワルシャワで開催されるピアノの国際コンクールです。
若いピアニストたちがショパン作品で競い合い、ここから世界に羽ばたく人も多い。

今年(2025年)はまさに開催年で、YouTubeの公式配信を通じて全世界に生中継されています。


ChatGPTとの出会い

コンクール開催中は多くの人が注目し、感想を述べています。
それらを見て、僕も自分なりにただ聴くだけでなく、もっと深く鑑賞したくなりました。
しかし、前述の通り僕は音楽鑑賞が苦手です。

そこで、ふとChatGPTに相談してみました。

「僕、音楽を聴くのが苦手なんだよね。“聴ける”ようになるにはどうしたらいいんだろう?」

ChatGPTから返ってきたのは、こんな提案でした。

「まずは、気になった演奏をいくつかピックアップして、感じたことをコメントしてみましょう。」

そこで、ステージごとに3〜4人のピアニストを選び、
ChatGPTと一緒に彼らの演奏を聴きながら感想を交わしていくことにしました。

最初は自分が弾いたことのある曲を選ぶところから始まり、
やがてChatGPTが「この人の演奏も聴いてみては?」と提案してくれるようになりました。

鑑賞ノートの作り方

ステージごとに話し合った内容をまとめたのが「鑑賞ノート」です。

方法はとてもシンプルで、ChatGPTと演奏について語り合い、最後にWord形式でまとめてもらうというものです。

その結果できあがったのが、以下のノートです。

僕自身の言葉をベースにまとめられているので、内容はほぼ僕の考えそのままです。
ChatGPTが代筆してくれたというよりは、「僕の感想を言語化してくれた」という感覚に近いですね。


そして気づいたこと

鑑賞を通じて、ひとつ気づいたことがあります。
僕は耳ではなく、身体で音楽を聴いているということ。

奏者の体の動き、表情、「間」、呼吸、緊張の解ける瞬間……。
そうした“演奏者の身体性”を通じて音を感じ取っているようです。

あるときこの話をピアノ経験のあるメイドさんにしたら、
「動体視力いいね!」と笑われました。
(補足:知っているとは思いますがこのブログの筆者はメイドカフェオタクです)

その方は逆に耳がとても良く、耳コピで何でも弾けてしまうタイプ。
同じピアノ経験者でも、こんなにも感覚が違うものなのだと驚きました。

ChatGPTと音楽鑑賞

ChatGPTを使ってみて感じたのは、音楽鑑賞が対話的な体験になったということです。
「この人の音色はどう思う?」
「このテンポは何を意味している?」
そう問いかけながら聴くことで、いつもより深く音楽に向き合えるようになりました。

もちろん、集中して聴くぶんエネルギーは使います。
ただ、その分だけ演奏への理解も、自分自身への発見も深まっていきます。
それが今回、ChatGPTの力を借りて鑑賞して良かったことだと思います。


おわりに

この記事は日本時間10月19-20日に書いています。
あえてファイナルの結果が出る前に公開しようと思います。

みなさんがこの記事を読んでいる頃には、今回の王者は決まっているでしょうか。
でも、あえて言えば、そんなことはもう関係ありません。
どの奏者も素晴らしい演奏で、優劣は付け難いです。

私の鑑賞記録は「たまたま私が聴いて、気に入った」奏者の記録であり、「誰が優れているか」という言及はありません。

もちろん、コンクールという性格上、「誰が勝つか」に注目されるのは当然ですし、そのためにコンテスタントは想像を絶するような努力をしてその場に立っているのだと思います。

その結果、私たちはこうして音楽を楽しませてもらえたことに感謝します。

出場者の皆さん、素晴らしい演奏をありがとうございます。本当にお疲れさまでした。